ホーム » メルマガ » 家具市場が拡大している理由を心理的側面から考える

こんにちは、ラウンドナップの中山です。

しばらく対面相談をストップしていた関係で、少々荒れていた事務所を整えました。やっぱり気持ちいいですね。基本的に愛着や撞着のあるものだけで事務所はできているので、余計そうなのかもしれません。

さて、その延長として今回取り上げたい話題が、家具の販売が順調というニュース。
マーケ以外の側面から考えると面白い案件です。

まずはこちらのニュースご覧下さい。

家具市場 イイネで成長 ニトリ・エディオン提携 底流に「単身時代」:日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61139930W2A520C2H11A00/

「エディオンとニトリホールディングス(HD)との提携やヤマダHDの大塚家具子会社化。その底流にあるのが、家電やアパレルと対照的に堅調な家具・インテリア消費だ。市場は10年で約4割拡大した。

異業種からの参入も相次ぐ。SNSやリモート会議の普及で家の中が人目に触れる機会が増えるなか、今まで以上に家具にこだわる消費者が増えている。」

とのことです。

だいたい市場規模は1.5兆円とか。

家電製品やアパレルなど家関係が大きく売上を減らすないし低迷させている中、非常に良い伸びを見せています。ヤマダ電機が大塚家具を買ったのも納得です。入口として確保、家具。

今回はこの件を、ストレートにマーケティング的な解釈ではなく

「心理学的な観点」

から考えてみたいと思います。考え方の切り口として何かのきっかけになれば幸いです。

なぜ家具市場は伸び続けているのか?

なぜ市場が伸び続けたのか。

記事の中では、コロナ禍やリモートワークの増加で、家の中に対しての意識が強くなったから、あるいは家の中で過ごす時間が増えたので、コストをかけるものとして認知されたといったような内容が上がっています。

確かにそれもあると思うのですが、私は

自分の外と中の境界線が拡大したから

ではないかと思っています。

以前にユング心理学の河合隼雄先生の論文か書籍で読んだと記憶しているのですが、個人としての意識が芽生える一つのきっかけは近代になって「個室」が与えられたからという説があります。

また、部屋を与えられると自分自身に対する内省が多くなるとも言われます。

つまりは、自分の延長上に部屋があり、地続きの存在になると。

これは部屋に限らず、例えばお気に入りの筆記用具であったり、あるいは車やバイクなど趣味性の高いものについても起きやすいでしょう。

自分が気に入っているものに嫌なことを言われると、まるで自分が貶められたかのように感じることってありますよね。

この意識の存在が、部屋の中に置く「家具」の伸びにつながっていると思うのです。

ソーシャルディスタンス=自他の境界線

コロナ禍で何度も何度も言われ、そして守ることを求められたソーシャルディスタンス。

それを守らないと見えない何かが飛んでくる事を示すシミュレーション映像。

それに彩られた生活を私たちは2年3年と行なってきました。
結果、落ち着きつつある今でも、なんとなく人の近くに必要以上によることが嫌ですし、手すりや小銭などに触るのがなんとなく嫌な状態が続いています。

つまり、実態はなくとも「自分を守るボーダーライン」はこの辺に置いておかなければなんとなく不安という状態になってしまっている。

今までは、自分のすぐ近くだけ気にしていればよかった、なので着る物持つものくらいまでが自分の範囲。でも今はもっと広い、そうすると自分の部屋は自分の周りだけ整っていれば良いものではなく、自他の境界線・砦としてみられるようになる。

そうすると、自分の延長線上という意識になるため、自分と同じテイストで塗りつぶしたくなる。

その結果が家具の伸び。

とはいえそれほどお金をかける余裕もないため、ニトリなどお手頃でかつ癖の少ないものにニーズが集まっている。

元記事にあるような「最低でも人に見られても良い状態にしておきたい」というような動機ではこれほど伸びないと思うんですね。バーチャル背景などありますし、使っている方多いですしね。

自分自身をわかりやすく表現できるものは需要が継続する

という前提に立ちますと、家具以外で今後伸びるもののひとつの特徴は「自分の内面を外に投影できるもの」ではないでしょうか。少し意地悪くいうと「ありたい自分を演出できるもの」ではないでしょうか。

機能性や品質面で差別化が難しいものは、そのあたりをうまく商品性に組み込んでいくと売りやすくなるのではないかと思います。

世の中が荒れているときは、3Cなどのテクニカルな分析方法だけではなく、心理などの定性的な部分での目線を入れていただくと、次の一手が見えてきやすいと私は感じています。

今後の販売戦略に今回の内容が役立てば幸いです。


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中山 陽平

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