ホーム » podcasts » マーケティング・セールス » 第200回:自分たちの事業を1つ上の視点から再定義して掲げることが産み出す価値とその背景は?

今回の内容について

自分たちの事業を1つ上の視点 から再定義して掲げることが 産み出す価値とその背景は?

今回は、5月末にセースルフォース社が銃器を扱う会社に対してサービス提供をしないことをアナウンスした件について、それは決して大企業云々に限った話ではなく、中小・小規模事業者の方々も、押さえるべきポイントがあるという内容です。

決して、政治的なものに触れろと言うことではなく、事業に対する視点の置き方の問題です。

詳しくはPodcastをお聞き下さい。

エピソード詳細

今回扱うのは、少し複雑なテーマです。考えながら喋っているので、今回ちょっと入りくってしまうかもしれないですけれども、そこも含めて楽しんでいただけると嬉しいです。

salesforce が出した声明から考える

5月か6月ぐらいに、salesforce が「銃器を取り扱っている会社に関しては、サービスを使わせない」というアナウンスメントを出しました。

salesforce をご存知の方とご存知じゃない方が二極化するかもしれないですね。ざっくりいうと、企業の中で CRM、顧客管理やセールスのサポートになるような、マーケティングやセールス、カスタマーサポートなどに類する社内の効率化ツールのなかで、最も有名といってもいいんじゃないでしょうか。

シェアに関しては、一番かどうかちょっと把握してないですけども、相当高いです。非常に業界では超有名企業です。

そのsalesforce が出した声明ということで注目されました。

普通に考えると、「大きな企業が政治的な発言を海外でやったんだな」ということで、そういうことを海外の人、アメリカの人とかってするよね、というところで考えを止めてしまうケースが多いんです。

けれども、もう少しこのトレンドについて、中小企業の方々も、ちゃんと押さえておいて頂きたいなっていう部分があります。

それは今後、物を売るとかお客さんと関係性を維持していくとか、そういうことをしていく
ために必要なことですね。

政治的な話をしろ、というのではなく

政治的な発言については、日本でそれをやるのは結構リスキーなところがあります。日本はもともと、政と商いを一緒にすることを嫌っている、別々のものにしたがる傾向があります。

なので、政治に関することを出すのはリスクが大きいので、あまりお勧めしません。

お伝えしたいのはそういう話ではないんです。

例えばこれを売っています・こういうサービスを出しています・お店でこういうシリーズを出していますというような、そういう目の前のことだけではなくて、その一個上にあるところから自分たちの商売やサービスを語れないと、これからなかなか生きていくのが難しい時代に入っています。

その点について、ぜひ押さえておいていただきたいんですね。

今回のsalesforceの件については、「そういった産業に、自分たちの商品でのサポートを行いたくない、そういう作業を応援するつもりはない」という意思表示です。

これにはいろいろな政治的な意図がや会社としてのいろんな事情があるんでしょう。

そういう政治なものは置いておいて、一つ上のストーリーを自分たちの商売にくっつけていけないと、なかなか選んでもらえない時代に入っているというのは、これはどんな規模の会社においても言えることだなと、日々強く感じています。

1つ上の視点をもとに発信することの重要性

同じような商品やサービスをしている会社がたくさんある中で、選んでもらうためにどうしたらいいかを考えた時、大事なポイントが1つあります。

それが、商売の一つ上の視点をきちんと明確にして、それを基にメッセージの発信やホームページ作り、日々のマーケティングをやっていくということなんですね。

継続して自分たちの求める形で維持がされそうかどうか、が気になる

1つは、その会社の商品なりサービスを使うということは、お付き合いができるわけですよね。それは単発の商品かもしれないし、継続型のサービスかもしれないんですけれども、良ければどんどん使います。単発であっても使い続けるわけですから、お付き合いがつながっていく。

その時に、この会社は現時点では自分たちにとっていいなと思うけれども、未来はどうなっているんだろうというところをすごく考えるんですね。

ある商品やサービスを選んだ時、選ぼうとする時に、自分たちの事情に合っているから選ぶわけですが、それが継続して同じように自分たちの求める形で維持がされそうかどうかということも考えています。

「10年後もサービスを続けます」と言っても信じてもらいづらい

ではそこで「10年後もサービスを続けます」と言って納得されるかというと、根拠がないので信じてもらえません。

何の根拠もなくそんなことを書いても、当然会社は中の人も変われば様々な事情も変わるので、買う側としては「いきなり廃盤になったり、商品性が変わったりするのでは?」と考えてしまいます。

それではどうすれば伝わるかというと、その一つ上の上位概念を示すことです。

上位概念を示すことが有効

「自分たちの会社はこういう世界を作りたいと思って活動しています。または、皆さんにこういう価値を提供したいと思って活動しています。なので今この商品を出しているし、継続させていきたいと考えています。」

というようにすると、納得感がでます。

もし今のサービスラインが途絶えたとしても、別のそれを補完するサービスをきちんと作ってくれそうだと考えてもらえます。

単純に頑張り続けますと書いても伝わりませんが、ストーリーがあって、こういう上位概念の元に説明してあげることで、お客さんは分かってくれるのです。

自分たちの商売を一つ上の段階で定義することが重要になります。細かい情報ではありません。

特にWEB系は用語自体も分かりづらいし、何がどこまで含まれているのか分からないしと、比較検討は大変だと思う方もいるでしょう

その会社は誰にどういう価値を提供したいから今どういうサービスをやっているのか、ということが分かりやすくそろっていること。

会社の規模も(少人数か大人数か)、会社の夢、ミッション、ビジョンを実現するためにはこういう形が理想的だからこうしているんだ、と説明してあげると納得してもらえます。

お客さんの「想像」の先回りをする

これが何もなく「うちは人がいっぱいいるので大丈夫です」と言われると、ぞんざいな扱いをされそうだとか、人件費や固定費がたくさんかかりそうだから何かがあったら大きくサービスが変わってしまうのではないかと思われてしまいます。

こういったお客様側の勝手な想像に対して、きちんと企業側からのメッセージを、本来意図しているもので先に不安解消してあげることも重要です。未来についての話もそうですが、お客様が他社と比べてどうかを考える時に、細かいところではなくとても大きなところから比較するようになっているので、そういう観点でも自分の事業を一つ上の段階で再定義することが重要になります。

採用にも通じる

ものを買ってくれるお客様ももちろんそうですが、人材を採用する時にも同じことが言えます。むしろこちらのほうが中小企業にとっては重要度が高いかもしれません。今は人が採れない時代になっていますし、入社してすぐに辞めてしまう人も増えています。

その中で自社に合う人に一緒に働いてもらうためには、自分たちはどういう商売をしているということだけを伝えてもマッチしません。目指しているものをきちんと出して、それに共感してくれる人物を集める必要があります。今やっていることを羅列しているだけでは、絶対に伝わりません。

お客様に対しての視点でも、一緒に働く仲間を増やすという視点でも、同じように一つ上の段階から会社としてメッセージを発信しないとマッチしません。HPがまさにそれを具現化されたものとして存在すべきです。

HPを見ているとカタログ的な内容のものもあれば、あまりにもビジョナリーな方向に寄りすぎて結局何をやっているのか分からないものもあります。そのバランスが取れていて、上から順番に落とし込んであるようなHPが作られていれば、マッチするお客様と人材が集まるようになります。

セールスフォースが声明を出した意味

セールスフォースが声明を出したことで、方向性が明確になりました。セールスフォースの。

共感できるから使い続けたいとか、この先こういうことには使われないだろうという声もたくさんあったのではないかと思います。実際に海外系のメディア記事を読むと、基本的には好意的です。

そして普通の企業も、こういう政治的なものでなくても良いので自社のブランドメッセージ、立場みたいなものをきちんと表明したほうが自社に合うお客様を集められるという記事になっていました。やはりそういう時代になっていると思うし、それは日本も海外も変わらないでしょう。

ホームページ制作も同じ事

当社でHPを作る場合は、いわゆるWHYの部分から考えてもらっています。そのほうがデザインが決まるのも早いし、コンテンツの広がりも全然違うし、実際に反応が取れる率も変わってきます。

作るのに時間と頭を使いますが、それを行うことで、そこに関わった人が社内でいろいろなビジョンを持って活動してくれるようになったという副作用もあり、やって良かったし必要なことだと思っています。

自分たちがそもそも一つ上の段階から自社の事業を見下ろせているか、ということを皆さんは考えてみてください。

経営者の方々がそれはできているというのであれば、社員はどうなのかを考えます。またはパートナーの外注さん、パートナー企業はそれを理解してくれているのか、という形で回りに広げてください。

もしどこかで止まっている場合は、大抵はまず社員の部分で止まっています。そこで社内の情報発信の仕方を考える、会社のHPをそれを反映させて作り直して社員に見てもらう、その部分から作り込んだ資料にする等していくと良いです。

それができていたら、次にお客様に伝わっているのかということで、セールス資料やトークの仕方、身なり、しゃべり方、電話対応の仕方、HPそのものと、外部にきちんと伝わっているのか、外に広げてチェックをしていきます。恐らくどこかで「うちは考えていることが共有されていなかった」と発覚すると思うので、それを解消すべくいろいろなことを講じていくのが良いでしょう。

これから間違いなくお客様に選ばれる企業になるためには、一つ上のところからきちんとメッセージを発信して立場を表明できている会社である必要があります。そうなるように他社を見たりしながら考えていただくと良いのではないでしょうか。

私もそう考えています!

私自身も、パートナー会社さんを選ぶ時もそうです。真剣に考える時は必ず、この会社は過去どういうことをしてきたのか、なぜ今この事業をやっているのか、将来的にはどうしていくのかということについての情報はあるかないかを調べます。

また、あれば必ず読むようにしています。特に当社のお客様に紹介する形だと、失敗するとお客様にも迷惑がかかるので、ちゃんとやってくれそうなところを探してご紹介するようにしています。

当社のミッションは「日本からWEBを活用できない中小企業の方々を0にする」ということです。それを元にしたサービスを提供しています。価格もできるだけ安くできるようにしています。いちいち会議することもなく気軽に相談できるようにしているのもそのためです。

またビデオ会議やチャットは社内で情報共有をしやすくするために使っています。当社が積極的に大きな会社にしないのも、同じ経営者の立場で物事を見られるようにするためです。

企業さんではWEBに関係する部門は少人数だったり、あるいは経営者自身がやっていることがほとんどなので、その気持ちをきちんとくみたいと考えています。

あとはあまり安易に大きくしても、売上は上がるかもしれませんが違う方向に行ってしまうのではないかと思います。肌感覚を同じにしたいので、このようにしています。


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中山 陽平

Web活用を本気で頑張りたい企業の成功とノウハウ蓄積を支援。小さな企業専門の伴奏支援。戦略立案から実行提案・診断・HP制作などを提供。無制限全国対応のアドバイザリ・顧問や嫌な営業対応代行など一気通貫で外部の専門家としてお守り。2001年に業界に入り支援経験600社以上。技術評論社から書籍出版、WebセミナーPodcastは月間1万ダウンロード。

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