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今回の内容について
自分たちの強みを考えるということは、競争戦略の中で重要なポイントです。
しかし重要であるせいか、分かりやすい切り口のせいか、HP作成時などに安易にヒアリングされ、安易にそのまま掲載されがち・諦められがちな要素です。
しかしそれは様々な落とし穴の入り口です。具体的にはどういうことでしょうか。そして本来行って欲しい「決め方」とは?
詳しくはPodcastをお聞き下さい。
エピソード詳細
今回のテーマは、実際にコンサルティングを行う過程の中でも、お問い合わせの中でもよく聞かれる部分で、同時に落とし穴になっているところでもあります。
そこで、基本的な考え方や注意点を押さえておいていただきたいなというのが趣旨です。
今回のメイントピックスとしては、「強み」という言葉ですね。
お客さんを取っていけるホームページを作っていこう、というような流れが出来始めた時に、結構そこら中で発されていた質問が、ヒアリングシートや初期ヒアリングの際に「御社の強みは何ですか」「他社よりと比べてすごいところはなんですか」といった質問だったんですね。
この質問が、非常に危険かつ難しい問題だというところをまず知って頂きたい。
その強みっていうものに対して一体じゃあどういう風に構えていけばいいのか。そもそも強みとは何なのか。強みはどういうふうに見つければいいのか。
そういったところについて、今回思いつくままにお話します。
「強み」を聞き出すことの怖さ
まずなんで強みを聞くこと自体が愚かしい行為なのかというと、オンリーワンが強みを持っている企業さんが、日本の国内にいくつあるんだっていう話なんですよね。
すべては総体的であって、その競争相手と比べて、うちはここが強いんだろうなとかあっい
が強いんだろうなとかそういうふうに判断することができるんです。
けれども、ホームページは全国に対して開かれているものですから、皆さん無意識的に、ここが全国と比べてうちがナンバー1に、あるいはナンバー5くらいに入ってるんだろうなぁというようなところを探し出そうとするわけです。
で、実際そういうものってなかなかなくて、そうするとどうなってしまうか。
これは、ヒアリングするほうの能力にもよるんですけれども、「いろいろ考えてみたけれどもうちには何もないからじゃあもう価格でいきます」とか、ぼんやりとした「親切で丁寧みたいなところでいきます」とか、それから「すごく速いです」とか。
そういう疲弊してしまう特徴を上げてしまったり、あるいはぼやーっとしたよくわからないものを上げてしまったりして、「とりあえずじゃあこれを強みとして出していきますか」というような形で作り出してしまったりするわけなんですよね。
これは適切な作り方ではありません。また怖いのが、そういうふうに自分たちに対して失望してしまったような状態でヒアリングを置いてしまって、そしてそれをホームページという形にしてしまうと、自分達の商売に対してなんだか自信が持てなくなってきてしまうんです。
例えばホームページ上で、「自分達の強みは価格です」みたいにしてしまったら、もうなかなか、会社としてそれを高価格路線にしたいとか、出す商品を他社に比べて高い値付けにするとき、それが根拠がある値付けだったとしても、高い値付けをすることに対して抵抗が生まれてしまう。あるいは働いている人が、強みのない会社なんだなというふうに思ってしまって士気が下がってしまう。
そういうマイナスの効果も生まれてきてしまうという怖さがあるんですね。
そういうふうに最初から強みというものを聞く、「今の強みは何ですか」という質問は、本当に怖い質問です。私はこういう質問の仕方、基本的にはしないですね。
「将来こうなりたい」をまず見つける
とはいっても他社と比べられた時に、何らかの特徴を出していかないといけないですよね、っていうことになるわけですよね。
私がお勧めする考え方としては、また企業としてはこういう風にしていかなきゃいけないんじゃないかということも含めてなんですけども、現在その強みを持っている必要はない。それは嘘をつけということではなくて、1年後3年後5年後とかにこういう風な強みを出していけるような会社になりたいっていう姿をまず見つけるんですね。
現状では、ちょっとまだ何も正直言えるようなことはないと。だけども例えばじゃあ3年後にはこういうことができて、こういうことをお客さんに思ってもらえるような商品とかサービスとか、あるいは会社の組織っていうものを作っていきたい。
それをまずきちんと考えて会社全体で共有するところが、最初に行うべきスタート地点です。
続きはPodcastでお聞きください。