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今回の内容について

Podcast第204回「「価格は"安い!"ではなく "○○だ"と思って もらえることを目指す」とは?」

今回は中小企業にとって大きなトピックスの1つである「価格」に関する押さえて頂きたいポイントです。

情報が簡単に集められて比較検討という行動ができる現在、どのように価格という物に相対していかなければならないのでしょうか?

そして、どういったことに気をつけなくてはならないのでしょうか。

詳しくはPodcastをお聞き下さい。

エピソード詳細

概要

今回のテーマ、「価格」に焦点を当てたいと思います。これだけで本が1冊、2冊、3冊とかけるぐらいの、ものすごく大きなテーマです。

ですので、この15分20分ですべてお話をしようというわけではないんですけれども、「価格」に対する、ここだけは最低限押さえておいてもらいたいなというところを今回お伝えしてきます。

「安い=正義」という固定観念を捨てて

価格に関しては、いろんなした書籍が出ているんでこういう考え方は少なくなってきたんですけども、「安い=正義」という考え方、あるいは「安い=お客さんにとっても100%うれしい」というようなイメージを持っている方が、もしかしたら、まだいらっしゃるかもしれないなという印象を受けています。

今みたいな言い方をすると、そこまでのことは思っていないよと思われるかもしれませんね。

言い方を変えると、「この商品が売れないから、とりあえず価格下げてみようか」とか、「どうもこの商品がお客さんの反響をうまく得られていない、もしかしたら価格の部分で競争力が低いのかもしれない」とか、そういう理由でとりあえず下げてしまう。また、コストの部分だけを見て他社と比較して、有利不利を判断して、次の一手を打ってしまう。

そういうことが、無意識というか自然に行われてしまっているんじゃないかなと思います。

価格の付け方の3パターン

価格の付け方に関してはいろいろな考え方があって、大きくわけると3つぐらいあります。

ひとつは単純に、商品としてこれくらいの粗利率というものを確保しておきたいので、これの商品に対しては積み上げ式でこれぐらいの価格は取っておかないとねというふうに決めるケース。

あるいは市場価格を参考にして、ニーズから考えたらこのぐらいの価格で売れるはずだと考えるケース。

あるいは個別の商品ごとに設定するのが基本ですけれども、会社としての入り口商品、フロントエンド商品とバックエンド商品、最終的に売っていきたい利益率の高い商品を得るために広告費なども含めて、考え方で戦略的に価格をつけるケースです。

一番最初の積み上げ式の価格決定方式は、今あまりやられていませんね。

戦略で市場でこれぐらいで売れているからこれぐらいにして、うちはこういう付加価値があるからこれぐらいの値段にするかなっていうような形。あるいは自社のプロダクトのいろんな流れ、これが売れたらこれが今回売れるから、そうするとこれぐらいの商品でこうやっていけばいいなという形で、フロントエンドの商品の中に付加価格をつけたバックエンド商品はこれぐらいだね、という戦略的な価格の付け方をするケースもあると思います。

価格の付け方については、ここで全部お伝えするのは難しいので、専門書などを見てみてください。もちろんコンサルティングのサービスの中では、質問があればお伝えしています。

「価格が安いか」ではなく「価格は妥当か」

根本的な部分で今回押さえていただきたいところがあります。

冒頭でもお話をしたんですけれども、今は、買い手が、費用に対して、安いことを求めているっていう時代ではもうないですね。これは、法人でも個人でもそうですが、BtoCでもそうですが、特に BtoBはもともとこの傾向が強いかもしれません。

では、買い手は何を求めているかっていうと、安さではなくて「それが妥当か」というところを、ものすごく知りたがっています。

世の中に様々な商品があふれている中で、当然買い手も掘り出し物のような商品や、相場よりもはるかに安い商品はなかなか発生しないということはだいたい気づいています。

ネット上で展開されているものについては売る側についてもちゃんと調査しているでしょうし、そういうものがもし発生すれば、自分のところに届く前に即座に誰かが手に入れてしまっているだろうと。

ショッピングモールアプリ、フリマアプリ、オークションアプリでも相場を出してくれるので、間違えて変な値付けをすることは、少なくともネットで比較検討される世界ではほぼ発生しなくなっています。それは借り手側も分かっています。

オトクな商品に対する疑念

そこで不自然に安い商品を見つけるとどう思うかというと、何か自分が見落としているマイナスポイントがあるのではないか、詐欺なのではないか、粗悪品が送られてくるのではないかという考え方をします。

フリーマーケットで掘り出し物を探すというのは、そのものの価値が分からない人が取りあえず安く売っているけれど本当は価値があるものを探しにいくという考え方です。リアルの世界で適切な価格情報を集められなかった時代、環境だったからこそ成立しました。

リアルのフリーマーケットではまだまだそういう世界はありますが、ネットに関してはもうほぼありません。

このように情報が回っていない世界では、そういうことがあってもおかしくありませんでしたし、今でも買い手はそう思っているでしょう。とにかくネットで掘り出し物に出会うことはもうないだろうということです。そして掘り出し物のように見える商品があったら、怪しいというネガティブな感情を持ってしまうのが今の時代です。

安さよりも買った時に不安やリスクを気にしている

買い手としては、安さよりも買った時に不安やリスクを気にしているということです。では何を目指すべきかというと、もちろんお客様が想定している価格帯に収まっているかという判断は必要です。ターゲットがどのくらいの費用を想定しているのかということは抑える必要があります。

それ以上に、安いというよりも、自社の製品はこの価格で打倒だと考えてもらうことを目指したほうがうまくいきやすいです。自社製品を30万円で出してなかなか取れませんという時に、25万円に下げて売れたらそれで良いかということです。

それは表向きの価格が下がったから売れているだけで、商品の見せ方に関しての不安感や妥当性のなさは払拭(ふっしょく)されていません。ですからこれは続かないのです。

価格を妥当だと思ってもらえるような要素が足りていない?

そうではなく、皆さんが市場調査をしてターゲットの考える価格帯を把握した上で競合と比較して、この程度の価格で売れるはずだということで出して反響が取れない場合には、何かその価格を妥当だと思ってもらえるような要素が足りていないと考えたほうが良いです。

例えば自分たちが打ち出しているメリットや他者との違いが、実はお客様に響くポイントではないとか、あるいはそれが伝わるような説明ができていないということがあります。また、伝わるようなコンテンツ、動画、文章、紙媒体等が酔いされていないということがあります。

自社製品がその価格設定なのは当然だと思ってもらえるかどうかというところを追求してあげたほうが、反応はとても良くなりやすいです。いろいろなサービス、特に分かりづらいサービスがあると思います。専門的すぎるもの、例えば外壁塗装のようにどこにどうお金がかかるか分かりませんよね。こういうものはできるだけ透明性を持って示してあげることが必要です。

どれくらい時間がかかって、何kgのものを組み上げて、安全面を配慮してすべきことを考えると、人件費や資材にこのくらいの費用がかかる、そしてそこに利益を上乗せするとこのくらいの価格になるということを提示します。そのほうがお客様としては、「ぼったくられているわけでもないし、安すぎて雑な施工になるわけでもなさそうだ、妥当だ」と思ってもらえます。

自分たちの今の価格、大前提として戦略的に価格を考えているかとか、商品のポートフォリオを考えて最終的に売りたい商品設計をしているかということはあります。

それはさておき、自社製品を「もっと安くしたら売れるのではないか」という考えではなく、もっとこの価格に妥当性を感じてもらうためには何をどうすれば良いのか、どんな情報を出せば良いのか、どういうステップで何を伝えていけば良いのか。

リアルを絡めるのであれば、営業に行った時にどのような資料で何を説明すれば良いのか。そういうことを追求していくほうが、利益率も基本的には下げずに売上を上げていくことができます。

「取りあえず価格を下げてみたのですが」というコメントはよく聞きますが、これは非常に怖いことです。一度下げてしまった価格はなかなか元には戻せません。取りあえずで下げることはやめて、どうしたら下げずに自社が妥当だと考える価格で買ってもらえるかという点を追求していくと、いろいろな世界が見えてくるのではないでしょうか。


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中山 陽平

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