ホーム » podcasts » Web戦略(競争戦略) » 第208回:24時間YouTube配信弁当屋から小売業・飲食業がWebマーケティング的に学べる点とは

今回の内容について

今回は、24時間YouTube配信によって売上を大きく伸ばしたと言われる弁当屋の事例を元に、

小売・飲食のウェブ活用の難しさの実態と、事例から得られるポイントについてまとめています。

詳しくはPodcastをお聞き下さい。

エピソード詳細・一部書き起こし

まずは、お知らせです。

Youtubeでの動画配信を始めました

従来、iTunesのポッドキャストで配信をしていて、そこで購読をされている方が一番多いです。それ以外にポッドキャストやiTunesがよく分からないという方向けに、サイトでの配信も行っています。

また、Youtubeのが慣れているという方も多いです。そのため、Youtube の方では、タイトル画像に音声を乗っけて定期的にアップしていました。

最近はYoutube もきちんと見るビジネスマンの方が増えているそうです。なので Youtube では、動画で、ノーカットで話している様子も含めて流すことにしました。

実際映像で見ることによって伝わる行間を、より感じて頂ければと思います。

今までは、ポッドキャストの音声を撮って、それを動画の方に流して、Youtube にもアップして、という流れでした。今後は全部動画で撮ってしまって、音声を抜き出してポッドキャスに流す、という形でやっていきます。

今までポッドキャストを聴いていただいた方は、合わせて Youtubeを観ていただければと思います。過去分は全部、音声だけではありますが配信されています。この機会に昔のものも聞いてみてください。

Youtubeを観ていただいている方は、かなりゴチャゴチャしているのがわかると思います。
音声だけのときはごちゃごちゃでいいんですけれどもね。マイクとかポップフィルターとか、今は無いんですが、いつもビデオ会議の時に使っているいろんな機材があって、ごちゃごちゃしています。まだ整理ついていないのでご容赦ください。

お弁当屋さんが24時間生配信をした、というニュースから

では、今回のテーマです。飲食業の方の Web 活用につながる一つのネタをお伝えします。

トゥギャッターで紹介されていたので、見たよという方もいらっしゃるかもしれません。

お弁当屋さん、どこだったか、ちょっと場所がわからないんですけれども、お弁当屋さんが店内をYoutube で生配信することによって、かなり繁盛しているそうです。

趣旨としては、防犯面です。お弁当も盗まれるらしいんですね。お弁当盗むって相当難しそうなんですけれども、盗む人がいると。そのために見回りのスタッフなんかもいたそうです。

それが、Youtubeの生配信でマイナス面を解消することによって、結果として相当売り上げが上がって、店長さんが相当いい感じになったよっていう話の文脈です。

これは、どちらかというと防犯面の話でトゥギャッターでは、まとめられていたんですけど、マーケティング面として非常に面白いなあと思ったので、今回ご紹介します。

テレビで放送されたらしく、それの紹介のツイートがまとめられていてそれを見ましたが、実際の動画は、私は見てないんです。なので、細かい部分で誤解もあるかもしれません。

あくまで、24時間ライブで、Youtubeを店内で映したらどうなるか、という観点で、今回、面白いと思うところを紹介します。

単価が低い小売や飲食はWebに大きな予算をかけにくい

小売や飲食は、すごく Web の活用が難しいんですよ。

Web の活用には、ホームページを使って見込み客を集客して、見込み客を育成して販売をしていく。そういう基本的な、鉄板の流れがあるわけなんです。

けれども、それが最も得意としているのは、なるべく商品単価の高いものなんですよね。一番最たる例は、家とか、高い什器とか、そういった3桁4桁5桁のものっていうのは、年間10個もいらないですね、月間1個売れたら、もうそれだけで相当量の利益が出ます。

お金をかけていろんなWeb のことをやったとしても、いわゆるペイするっていう、かけた費用に関して十分な利益が出てくるよという状態になるんですね。

こういったものをできるだけ、実は Web 業界では扱いたいわけなんです。

なぜかというと、小予算であればあるほど、できることは当然少なくなってきます。また、かけられる人件費も減ってきます。

企業もエース級の人材は入れられない

ということは、やっぱりエース級の人材は入れられないですし、Web 業界のツールって、こういうのを使いたいなーと思うと、2桁万円ぐらい平気でいくものが多いんですよね。

10万円とか、安くたって3万円とか。それだと単価が低い業界に対しては使えないんですよね。

なぜかというと、そのツールを入れた瞬間に、それ以上の売り上げを上げなきゃいけません。そうなると飲食や小売のような薄利多売のビジネスに対して、そういうのはちょっと使えないですよね。

なので、ほとんどこの業界に関しては Web がマッチしない状態になっています。

WEBの広告単価が今後下がることはないでしょう。また、小売りや飲食はやはりその場での体験自体を含めた商売です。例えばWEBで追跡型広告、リターゲティング広告を出したところで、毎日買うようなものをわざわざそれを見て買うことはないので相性が悪いのです。

自分でやる前提:自店で再現できる部分があるかどうかを常に考える

飲食・小売業はまだWEBにあまり期待できない時代が続くと思います。なので、今回のように低コストで成果が上がるという話は食いついてみて、自店で再現できる部分があるかどうかは考えてみる価値があると思います。

今回はYouTubeでWEBカメラかiPhoneを置いたのか分かりませんが、24時間ライブ配信をしたということです。その結果売上が上がったのです。使っていないスマートフォンが1台あれば、店内のLANに繋いで常にYouTubeで配信をするだけなので、コストはほぼ0と言えます。

これがなぜ成功したのでしょうか。これはライブコマースに近いという感覚を持ちました。最近1111独身の日ということで、中国でライブコマースを含めた通販で売れたらしいですが。あれは商品を買うという体験、それを使っている様子、周辺の世界も含めて価値を感じるからなのです。

スーパー、小売店、飲食店とありますが、特に今はネットスーパーもたくさんあります。ではそちらを使えばいいじゃないかという話になります。我が家でも重いものを中心に、8割程度はネットスーパーを利用しています。それでもたまにスーパーに行くと、特に子どもなんかは楽しいのです。そして普段買わないものも買ってしまう。

これは「無駄な物を買ってしまうんだよね」というマイナスの語り口になってしまいがちですが、それはやはり売り場に行き、いろいろな物を見ながら、あれが欲しいこれが欲しいと話しながら物を買ったり、こんなものがあるのだと発見するという体験型の付加価値があったりするから、そこでいろいろな物を買ってしまうのだと思います。

ネット通販で欲しい物をポンポンと買うのとは、また違う世界の話です。VRで物を買いにいくような時代にならない限りは、この二者は一緒にはならないでしょう。飲食、小売り、スーパーをやっている方々は、現場に来たお客様が例えネットスーパーを利用していようともまた来たいと思わせる、引きつける要素を分析しましょう。

「こういうやり方、見せ方をすると、また店舗に来たいと思わせることができる」という要素を抽出します。そして次に、それを店舗に行かなければ体験できないのではなく、今回の例のようにうまくネットを使って配信するということです。今は年配の方でも普通にスマートフォンを使っていますし、動画を簡単に見ることができます。なんとなく「あのお店は今日どんなことをやっているのかな?」と見てみます。

一度来店しないとYouTubeをやっていることはなかなか伝わりません。しかし、一度来店した人に向けて周知をして、混み具合や特売品の様子を知らせたり、テロップ部分に「○○のキーワードを言うと安くします」というようなことを流したり、QRコードでチラシに同封したりすることはできます。

そうすると、なんとなく遠隔で見てみて「なんだか今日は楽しそうなことをやっている」「あの商品おいしそう」「こういう組み合わせもいいな」「やっぱり行こうかな」というきっかけを与えることができます。わざわざ来店してもらわずとも、その日の店内の楽しそうな様子や、混み合っているからお得なことをやっていそうだということを伝えることができます。

路面店の良さ

路面店は何が良いかというと、買う気はなくても前を通りかかった時に店内が見えるから、何となく入ってしまうということが起こる点です。それと似たようなことを、リピーターに向けてのみですが行うことができるのです。もちろん覚えておいてもらい見てもらう必要はありますが、YouTubeで路面店と似たような状態にできるということは、広告宣伝費の圧縮にも繋がります。動画自体をシェアしてもらえれば口コミにも繋がります。

実際に行ってみるといろいろな演出をしていたり、陳列を工夫していたりと、

リアルでの強みを持っている小売店は多いです。それが行かないと伝わらないというのは、非常にもったいないと思います。それをどうやって行かずとも分かるようにするかというのは私個人としても課題でしたが、その一つの解答として今回のライブ配信があるのかなと感じました。

非常にコストが低く実現することができます。また従業員にとっても、配信されることでモチベーションが上がる方は一定数いると思います。例えばカメラを1台増やして実演販売できるようにして、それによって来客が増えたらモチベーションが上がることもあるでしょう。そして実演販売のレベルも上がっていくという良いサイクルができるのではないでしょうか。

まとめ

そもそも小売りや飲食は、なかなか既存のWEBでの儲かる仕組みに乗せづらいという現状があります。飲食はコースや宴会のように単価が高いものでないとなかなか難しいです。そんな中低コストで効果を出せる方法も出てくるという一つの例が、今回のYouTubeの生配信です。こういったことにもアンテナを張っていきましょう。そして不要なものはきちんと振り払っていけば、WEBと適切に付き合っていけるのではないでしょうか。

 


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中山 陽平

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