ホーム » podcasts » ツール・システム » 第338回:中小企業のSlackからの移行先選びのポイントは○○!

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ShowNote:今回の配信内容まとめ

今回は、来月頭に迫ったSlackのプラン変更の話題に絡めて、業務の中で重要なサービスを選ぶ際のポイントについて。社内コミュニケーションツールは中小企業がDXやIT化の第一歩として取り入れることが多いためか、どうしても「無料」のものを使いがちです。

Slack プラン内容変更
https://slack.com/intl/ja-jp/blog/news/pricing-and-plan-updates

もちろんコストがかからないのは大事なことなのですが、無料の物はそれがきちんと維持されるかどうかを見極めないと、その後のスイッチングコストが大きな物になってしまいがちです。

その辺りの詳細について。そして、Slackからの移行先選びの際に、あまりWeb上のコンテンツで触れられていないが、重要なポイントについてお伝えできればと思います。

具体的にお勧めのサービスもピックアップしています。

 

Slackの価格改定で起きること(主に無料プランに)

Slackは2022年9月1日から無料バージョンの内容変更と、有料プランの価格改定を行いました。プロプランについては5%程度の値上げなのでそれほど大きなインパクトはないでしょう。

ただ、無料版で使っていたユーザーにとっては大きな変更です。具体的には

  • 以前:メッセージ数 10,000 件、ストレージ容量 5 GB という制限
  • 今後:メッセージ履歴が過去 90 日間までしか遡れない、ストレージ容量が無制限

です。あまりアクティブではないルームであれば、10000メッセージあれば1年くらい使えてしまう、かつダメになったら新規ルームを作って使い続けていたルームもあったでしょう。

しかし3ヶ月で「消えていく」となると、その様な運用もダメになります。

実質、無料ユーザーは消えてもいい話題位にしか使えなくなったと言ってもいいでしょう。

だったらBANDやLINEのグループで良い。(実際、BANDはLINEアカウントと別のプロフィールを作れるので身バレすることも無いですし、PCからもスマホからも使えるので意外に悪くないのではと思っています)

無料はいつまでも無料なわけではない

それ以上に「無料ツールはいつまでも無料じゃない」という事に気づかされたという声も多いです。

そうなんですよね、サービスの方針次第で、また有料部分のマネタイズ状況次第で、簡単に変わってしまいます。フリープランがなくなることもあります。

仕事なんだから有料版使えというのは正論ですが、中小企業だと稟議がおりなくて使いたくても使えないケースはまだまだ多いですよね。

なくなってしまうこともある、移行がそもそもできるか?大変か?が大事

こういう時に、海外などのレア系のツールを探そうとする方も多いと思うのですが、あまりおすすめできません。なぜなら、結構「無くなってしまう」事が多いからです。

レアな物は、裏を返せばメジャーになれなかったということなので、半分放置されているような物もあったりします。そのため、もし日本で「こんな隠れた良いツールがあった!」と人が押し寄せた場合、サービスが停止などの可能性があります。

「大事」なツールは持続可能性がとにかく大事です。スイッチングコストが馬鹿になりません。なので「既存のデータを移行できるかどうか」も重要なポイントの1つです。

こちらの記事もぜひご覧下さい。

Web系ツール導入基準として忘れてはいけない「サービス終了の可能性」
https://roundup-inc.co.jp/post-13925/

中小企業・小規模事業者におすすめの代替ツール3撰

端的に中小企業のIT部門に入れる際にあるいは小さい企業・個人の方に取って何がお勧めなのか?について自分で試した物も含めてピックアップします。

たくさん並べるのは意味がないと思うので、お勧めの物3つに絞りました。

それぞれのツールをお勧めする理由はPodcastをぜひ聞いて頂ければと思います。

※Podcast配信時のプラン内容を前提にしています、変更の可能性もあるのでWebサイトを確認ください

1. Microsoft Teams

https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/free

TeamsはSlackのシェアを奪うために無償版を出しています。機能的にはほぼほぼSlackではないかと思うくらいに似ています。

こちらは無償版でもメッセージ通数の制限はありません。あるのはビデオ会議などの制限だけです。また、全てのMicrosft365についているので、実は有償版を使えるのに気づいていない企業もあるかもしれません。

Slackからのデータ移行ですが「可能です」

ただ、簡単とは言えません。具体的にはAzureのPowerShellというコマンドライン系のツールを使います。Slackからデータをエクスポートして、それを加工して取り込む形です。

とは言え現実的にはできないケースがほとんどです。できる道があるだけで御の字です。できる方がいれば、あるいはスポットで外部に依頼してもよいでしょう。

2.Chatwork

https://go.chatwork.com/ja/

ビジネスチャットと言えばChatworkを使っている方も少なくないと思います。私も色々なお客さまとやりとりしていますが、Chatworkアカウントは既に持っている企業様も多いですね。

Chatworkも有料プランと無料プランがあります。

無料プランでもメッセージ数の制限はありませんので「とにかく社員に使ってもらいたい」「わかりやすい奴が良い」という方は、いっそChatworkに移ってはどうでしょうか。

実際Slackまで必要なケースってそれほど多く無い…と思うんですね。

なんというか…

  1. 私はコンサルでSlackとChatwork両方使います
  2. 使い分けの基準は「複数の話題が並行で結構走る」場合はSlack、シンプルにみんなで1つの場所でコミュニケーションする場合はChatwork
  3. 正直、Slackで初めたけれどChatworkで良かったなと思う場面も少なくない

からです。

ChatworkはSlackのログインポート機能は無いです。

無理矢理HTMLからまとめて持ってくることはできなくも無いと思いますが、するっとそのままSlackの構造を持ってくることはできないです。

APIはあるので、規模が大きい企業の方は1度問合せしてみるともしかしたら良いかもしれません。データを作れればゆっくりある程度分かりやすくもってこれるかもしれません。

3.VPSにオープンソース物をインストール(Mattermost , RocketChat )

私は最終的にここに落ち着きました。

Slackはクローン的な物や類似の物がオープンソースでいくつか開発されています。

その中でも、きちんと開発が継続されており、運営元もしっかりしているのがMattermostとRocketChatです。

ちなみ2点注意点があります。

  1. どちらも、検索すると日本の代理店が出ます。大企業ターゲットの導入&保守でかなり高いです(ミニマム100万円など)もっと安く出来るので中堅・大企業以外の方はスルーをお勧めします
  2. 公式は公式でクラウド版があり、自然と誘導されます。クラウド版を契約するならSlackそのまま有料版使うのと変わりません、スルーをお勧めします。

お勧めなのは、オープンソース版をVPSにインストールして自由に使うやり方です。サーバ費用以外は無料ですし、クラウド版の無料版とは比べものにならない機能を無料で使えます。Slackからのデータ移行はコマンドライン(SSH等)使いますが可能です。

VPS周りの詳細説明は省きます。要は自分でサーバに入ってコマンドを打って構築する必要があります。

VPS提供会社によって、簡単になる手段を用意しているところもあります。私も今回はその辺もあってKagoyaさんを使いました。所詮文字ベースなのでスペックは低め、SDDの容量だけ多めが良いと思います。

VPS|KAGOYA CLOUD|クラウドとレンタルサーバーのカゴヤ・ジャパン
https://www.kagoya.jp/cloud/vps/

その他のツール

ネット上で検索すると○撰みたいな形で紹介されている物はたくさんあるのですが、正直あまり現実的では無いと感じました。全部試したわけではありませんが。

理由は

  • 国内外に限らず、マイナー、無名どころはサービス継続の面で不安
  • 英語しか無いと中小企業は辛いと思われる

です。また、Facebookグループなどはそもそも合わないかなと…BANDは有りです。LINE WORKは試していません。

まとめ

基本的には、ChatworkあるいはTeamsを検討、Slack好きだけれど今後どうなるか不安だなと言う方などはOSS版のMattermost辺りを試してはいかがでしょうか。

個人的には、うちがTeamsを社内で使っていないこともあり

  1. Chatworkでいいのでは?
  2. OSS版の導入を、個人のエンジニアの方に外注してしまってはどうか、楽しいですよ

と思います。

弊社でも、VPS用意+独自ドメン設定+無料SSL設定だけなら代行できますのでお気軽にお問い合わせください。

構築だけなら、何十万なんてかかりません。

また、よろしければそれ以外のニュアンスなどPodcastを聞いて頂ければと思います。他の回もぜひ。

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