ラウンドナップ・コンサルティング公式ブログ 代表中山陽平が記事執筆。コンサルのノウハウ進化のための情報収集の一部を発信中。2004年〜開始。

ペンギン・アップデートからのリカバリー事例、WPMUの場合

過剰なSEOであったりスパミーなSEOが行われているサイトを排除する「ペンギン・アップデートThe Penguin Update)」

4/24にローンチされて以来、パンダ・アップデートとともにウェブマスターの注目の的になっています。

注目されているのはやはり「自分のサイトがペンギンにひっかかるかどうか」「どうしたらひっかからないか」といった点。

ペンギンアップデートに引っかかったが、納得がいかないというウェブマスターも多いのでなおさらです。

そんな中で、WordPressの情報を発信していることで有名なWPMU.orgが、ペンギンに引っかかってしまったそうです。しかし、リンクプロファイルを中心に施策を施して、リカバリーしたとか。

ペンギンアップデートからの回復事例として、ポイントをご紹介します。

元記事はSEOmozから。経過と施策がきれいにまとまっています。

▼How WPMU.org Recovered From The Penguin Update | SEOmoz

1.事の始まり。原因は配布テーマにあり?

これがWPMS.orgが公開している、GoogleAnalyticsにおける検索エンジンからの流入数のグラフです。

ペンギンアップデートが施行されたと言われている4/24からガクンと落ちています。その前1週間は変化がないので、パンダ・アップデートではなくペンギンだと考えていいです。

約81%のトラフィックを失ったそうです。

WPMUは、WordPressの情報サイト。James Farmer氏が運営しています。

情報のほか、プラグインを無料/有料で配布していたりテーマも配布しています。

そして、今回のペンギン発動の原因は、その配布しているテーマについている「Powered by 〜」というフッターからのサイトワイドリンクだったのではないか、と言われています。

【06/01追記】

フッターからのリンクそのものと言うよりも、「サブドメインだけが違う複数のサイトから」「”WordPress Mu”という、”WordPress”という非ブランドキーワード(TrypePadのようなブランドキーワードではなく)が含まれたアンカーテキストで」「サイトワイドリンクが貼られていた」ことが問題の可能性が少なからずあります。一概にフッターリンク=NGという単純なものではないように思います。

1.1.特定のアンカーテキストでの大量のバックリンクはあるが…

その時のWPMU.orgに対するバックリンクの構造をOpenSiteExplorerで見たものが以下です。

“WordPress Mu”や”wpmu”などが、リンクドメイン数もさながらリンク数が50万などあります。

さらに、詳細はわかりませんが、このサイトが低質なサイトからのサイトワイドリンクが多かったからでは?という仮説のようです。

実際、リンクドメイン数やリンクの数だけ見れば、例えば日本の大手無料ブログサービスサイトはもっと凄まじい数のバックリンクを、同じアンカーテキストで得ています。1桁違うことも多いです。

例えばライブドアブログは、画像ですがALTにライブドアブログと書かれたリンクを「3,204,205件」もらっています。

なので、単純にこの数字だけ見て、ペンギンが発動すると考えると、かなりのサービスサイトがやられてしまうのではないかと思います。

しかしWPMUは引っかかってしまいました

1.2.WPMUは純粋に人気サイトではある

また、参考情報ですがWPMUは他にリンクなどをもらっていないわけではなく

  •  Technorati, Ars Technica, Wired, Huffington Post, SEOBook, Business Insider, Boing Boingなどのオーソリティのあるサイトからのリンクももらっている
  • FacebookのLikeは10700以上、2500以上の+1ももらっている
  • Feedburner経由で4250人がRSSを購読している

といった状況だそうです。

WPMUとしても、フッターリンクはユーザがそのテーマを使いたいと思った時に探せるようにという、ユーザ目線のリンクであってSEO目的ではないと考えているとのことです。

2.MattCutts氏に聞いてみた

この事態を前にして、運良く運営者のJames Farmer氏はGoogleのMattCutts氏に質問する機会を得たそうです。

なぜWPMUがペンギンに引っかかったのか?と言う質問に対してMattCutts氏は

  • http://baydownloads.info/11580-Wordpress-Membership-Plugin-Wordpress-PayPal-R-Plugin-show-5starserve.htm -このサイトはWPMUの有料プラグインを海賊版配布しているよ
  • http://computerofficechair.blogdetik.com/category/tak-berkategori/ このサイトは古いWPMUのテンプレートを使っているけれどこれはスパムブログだよ、
  • http://computerchairs.blogdetik.com/ -これもスパムブログだよ

と答え、「こういうサイトからリンクを貼られていることは、WPMUにとってはダメージだと考えるべきではないだろうか」と答えたそうです。

この言葉だけだとなんとも言えませんが、MattCutts氏が言いたかったのは、

テーマのクレジットにリンクを貼ること自体が、決してWPMUにとって良い事とは限らないのではないか(やめたほうがいいよ)

ということなのかなと、私は解釈しています。

しかしどちらにせよ、Famer氏は配布テーマのフッターリンクに原因があるのだから、そこを何とかすればなんとかなるはずだ、と考えたそうです。

しかし、配布されたテーマのフッターリンクを一斉に消すのは、現実的に不可能です。なので、それを踏まえた上でリンク構造を自然に近づけようとしました。

3.Farmer氏が行ったペンギンリカバリー策

その後氏は以下のことを行いました(参照記事

  1. スパミーなサイトや酷いサイトを見つけて、リンクを外してくれるように頼んだ
  2. 配布しているテーマから、フッターのリンクをすべて外した(今後問題が拡大しないように)
  3. 自分でできる限り、100%ブランドリンク(この場合WPMU.orgやWPMU)を外した。自然なアンカーテキスト分布に近づけるために
  4.  ‘legitimate’ リンクビルディングを行った(?)
  5. 競合サイトに、ノンブランディッドかつキーワードリッチな発リンクをした

バックリンク及び発リンク構造(Link Profile)を、自然なものに近づけようとしたのではないかと思います。

3.1.EDUBlogs.orgからの発リンクを一掃

また、「EDUBlogs.org」からのリンクを全て消したそうです。これが大きかったのではないか、と元記事では述べられています。

ルートドメインに対する疑わしい15,000ものリンクを外すことができたからです。

In what I believe is the most critical reason why WPMU made a large recovery and also did it faster than almost everyone else, Farmer instantly shut off almost 15,000 ‘iffy’ sitewide, footer LRDs to their profile, dramatically improving their anchor text ratios, sitewide link volume, and more. 

EDUblogとは、主に教育系の人々に対してWordPressを簡単に使えるようにしているサービス。

このテーマがWPMUのものだったのですが、システム的に制御しているので、一括で消すことができました。

EDUblogはサブドメインでユーザごとにブログを作るサービスであり、それぞれのサブドメインごとにGoogleは別サイトとして判断しています。

その結果、Googleはサブドメインが違うだけのたくさんのサイトから、同じアンカーテキストでリンクをもらっている、のではないかと、Farmer氏は考えました。

3.2.加えて行ったこと

更に以下のことを行いました。

  • 最初にMattCutts氏に指摘されたようなサイトにリンクを外してもらうように頼んだ(あまり外してもらえなかったようです)
  • ペンギンの異議申立てフォームから送信(Feedback on our recent algorithm update (“Penguin”)
  • SEOmozのツールを使い、canonical設定を見直してクロールエラーを減らしたり不必要なリンクを無くしたりと、内部構造のクリーンナップを行った
  • リンク切れなどを見なおしてサイトマップを再送信した
  • 重複するタグなど、WebMasterToolに出ている問題について、ひと通り対応を行った
  • ナチュラルリンクを増やすように務めた

また、WMPUのこの事態をSEOのコミュニティがたくさん取り上げてくれたことが、間接的に影響しているのでは、ともあります。

4.約1ヶ月後(5/25)にリカバリー成功

これらの施策を行った結果、約1ヶ月後の5/25にトラフィックが戻って来ました。

こうして、WPMUはペンギン・アップデートによるペナルティからのリカバリーを成功したとのことです。

終わりに

流れを見ていると、不自然なリンクプロファイルはかなりリスキーなのだなと改めて感じます。

配布しているテーマや、あるいはブログパーツみたいなもの、それらに仕込んでおいたリンクが時限爆弾のように破裂している印象です。

ASPなどで一括管理している、例えば今回のEDUblogみたいなケースなら、まだ対応できるのでいいのですが、過去にそうではない形でやってしまっている場合、現実的に対応が非常に難しいのです。

最悪、サイトを捨てなければいけないかもしれません。

現在、そのようなやり方をしている方は、WPMU.orgのようなケースに陥る可能性があることを念頭に置いた上で、配布なりを行なっていく事が必要ではないかと思います。

 

Photo  by Burkazoid

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  1. sphinn.jp より:

    ペンギン・アップデートからのリカバリー事例、WPMUの場合 | WEB戦略情報総合ポータル…

    こういった実際のペンギンアップデートからの回復事例をいろいろと公開してほしいですね。…

  2. […] その事例の詳しい内容が、WEB戦略ラウンドナップのペンギン・アップデートからのリカバリー事例、WPMUの場合という記事で解説されています。 […]

  3. […] 検索エンジンが、どのような認識をしているか知ることは大事です。 ペンギン・アップデートからのリカバリー事例、WPMUの場合 | WEB戦略情報総… リスキーなリンクプログラムへの参加は、行わない方がよいでしょう。 […]