陳列するジャムは6コがいい?24コがいい?買い手の心理を押さえてコンバージョン率を改善するには

2014年01月04日_select-psychology-marketing

あるジャムには24種類のバリエーションがあったとします

ヘアジャムじゃないAという食料品店では、そのうちの6種類のジャムを陳列しました。Bという食料品店では24種類すべてを陳列しました。

AとB、仮にそれ以外の条件が同じだったとして、どちらが売れたでしょうか。

結果としては

24種類並べている方が、人々を引きつけた。しかし購買につながったのは6種類の方

でした。

これは、コロンビア大学のシーナ・アイアンガー氏が実際に行った実験です(→ 論文はこちら

なんとなく、選択肢が多い方が幅広いニーズに対応できるため、たくさん売れると思ってしまいますが、この結果は逆でした。

「選ぶ」というのは、一見楽しそうに見えて、本気で行おうとするとパワーを必要とするものだ、ということです。これはマーケティングを行う人は押さえておくことをおすすめしたい観点です。

実験:チョコレートは何個入りが最も満足度が高い?

また、別の実験があります。今度はチョコレート。

30個入りのチョコレートと、6個入りのチョコレート。
この中から1つ選択して食べた時、満足度はどちらが高かったでしょうか?(食べていいのは一つだけ)

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これは実は「6個入りから選んだ方が満足度が高い」という結果でした。

たくさんの中から選べた方がいいのでは?と思うのですが、30コもあると「一番おいしそうなものが決められない」「食べた後も、なんとなく後悔が残る」のかもしれません。

これは先程の論文を元にしたCopyBloggerの記事『6 Proven Ways to Boost the Conversion Rates of Your Call-to-Action Buttons』にあったものです。

ポイント:「選ぶという行動は、必ずしも楽しいものではない」

この結果は非常に興味深いものです。

マーケティングを行っていると様々な場面で「選ばせる」「選んでもらう」ことが必要になります。例えばサービスのプランであったり、オプションであったり、他社との比較であったりと。

売り手も買い手も、「選択する」という行動から避けることはできません、よね。そもそも何かに決めること自体も選択の結果です。

みなさんも何かを買う時にこの様なジレンマに陥ったことはないでしょうか

  • 自分が求めているものを提供しているサービスや商品はたくさんある、良さそうなものもいくつかある
  • ただ、どれが自分にとって最善なのか決められないし、決め方もわからない

これは、みなさんのお客さんも同じです。

「買い物」それ自体を楽しむ、ということでない限り、

理想的には

  • 自分に最もあったものを
  • 最短の時間で
  • 自分が納得できる形で
  • 選択して手に入れることができる

という状況です。これを前提において、サイトは作っていく必要があります。

陥りがちな罠:
たくさんの人に喜んでもらうために、選択肢をできるだけ多くする

選ぶということ自体は本来、付加価値のある行動ではありません。それ自体がエンターテイメント性を持っていない限りは、選んでいる時間に付加価値はありません。

しかし、売り手側は「とにかく様々なものを一度にお客さんに提示しようとしてしまいがち」です。商品点数が多いサイト、ECサイトなどが特にそうです。

選択肢が多いということ自体は悪いことではありませんが、それが本当にお客さんにとって、喜ばしいものなのか」ということは、考えて、アンケートを取って、ユーザテストをして、考えた方がいいのではと思います。

実店舗ならドン・キホーテ的にエンターテイメント性を出すのもありですが、ネットだと難しいですね。

情報があふれているこの世の中、お客さんは

  • 「自分に合ったものはどれだろうか」
  • 「これとこれと何が違うんだろうか」
  • 「できるだけリスクもコストも減らしたい」
  • 「そもそも、どんな判断基準で選ぶべきなんだろうか?」

といったことを、納得できるまで調べます。それをアシストすることが必要です。

納得さえしていれば、選択肢は少ない方がいいということもあるんです。先ほどのジャムの例しかりです。

何かを探している時「自分に合ったものはこれだ!」と心から思えたら、すごくスッキリしますよね。

分からないと「安い・速い」が基準になる

これがどうにも分からないと結局「やっぱりいいや」あるいは「分かりやすい基準」で選びます。

それは例えば「ブランド」であったり「サイトの見た目」「写真の格好良さ」など、そして「価格勝負」「早さ・納期勝負」です。

「結局値段なんだよね」「結局大手が勝つんだよね」という言葉は事業者の方から少なからず耳にしますが

  • お客さんの視点で
  • お客さんが分かりやすい形で
  • 自社の商品やサービスを選んでもらえるような判断基準の提供
  • その上でのセリング

が行われていないケースが多いです。「いい商品は自然と良さが伝わるだろう」はネットではNGです。

※決して早さ安さをウリにしてはいけないということではなく、
 泥沼でそこに走ってはいけないということです(大値引きなど)

そこまで導けるかどうかという観点での「ナビゲーション」が必要

とは言え、選択肢を削れというわけではありません。選択肢があることは大きな強みです。

つまり、

  • たくさんのひとに対応できる選択肢を持っている
  • それを、ストレス無く相手に提供できる

この2つを両立させるのが、ポイントです。

その時もっとも重要なのは「ナビゲーション」です。ホームページは相手の趣味趣向などによって対応を変えることはできません。レコメンデーションなどが限界です(今は。将来はきっともっとできるようになると思っています)

だとすれば、例えば「◯◯な方特集」であったり「◯◯な方はまずこちらから」といった、相手が納得して選べる形での絞り込み型ナビゲーションを使って、あたかも接客のごとくお客さんを連れて行くことが、コンバージョンにおいて大事なポイントになります。

恐らく最初のジャムの例も、24種類を並べて、しかもそれぞれを6つずつくらいにグルーピングして「朝食のパンに合うジャムをお探しの方」などのラベルを付けておけば、結果は変わってきたのです。

ナビゲーションは「サイト内で目的のものを見つけられるようにする」という点で注目されがちですが「目的のものが漠然としている人を、適切なところに連れて行く」ことも重要なポイントです。特にネットのような商品を手に取れないメディアでは。

判断基準はこちらから提示する

また、もう一つ大事なのは「判断基準をこちらから提示する」ということです。

“こういう商品はこういうところがポイントで、ここをチェックするといいよ”という判断基準を提供するコンテンツを用意することが大切です。

そんなことを書いても結局自社推しだと思われて意味が無いのでは?と思われがちですが、経験上そうでもありません。とても読まれます。キラーコンテンツです。

中立性を意識して売り込まないように書く必要はあります。しかし、中立性を意識して書けばどうなるか。

どうなるかというと、お客さんの頭の中では「売り込み」ではなく「詳しい人が説明してくれる」という位置づけになります。そうなったら、後はその基準にそったサイト構成にしておけば、お客さんは迷いません。

終わりに

こういったことは「買い手を恣意的に誘導している」と思われがちですが、それは行う人次第です。

お客さんの気持ちになって、満足感の有る買い物をしてもらえるかどうか、そこを今年は追求してみてはいかがでしょうか。

ユーザーテストやアンケート、競合で実際に買ってみるなど、定性的なアプローチが問題発見に向いています。

この記事が商売につながれば幸いです。

 

photo by SAITOR and  AZAdam

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