WSJがGoogleのFirst Click Freeから離脱、44%のトラフィックを失う

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WallStreetJournalがGoogleの「First Click Free」から離脱したことで、Googleからのトラフィックは44%減少したとのことです。

半分のトラフィックを失ったというのは、インパクトがありますね。

年400ドルの有料会員(subscription)へのコンバージョン率は上がっているようです。

しかし、フリーで読みに来ただけのユーザーがいなくなったためと考えると、実際の売上高などから見ないとなんとも言えませんが、苦渋の決断だったと推測します。

詳細をBloombergが報じています。

WSJ Ends Google Users’ Free Ride, Then Fades in Search Results – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-06-05/wsj-ends-google-users-free-ride-then-fades-in-search-results

ネット上では、メディア価値をあげ、集客するために投資として作られている無料コンテンツと、それ自身に価値を与えて収益の元とする有料コンテンツに情報が二極化しています。

検索エンジンという観点で言えば集客しやすいのは明らかに無料で全てが見られる状態ですが、それは同時に情報でマネタイズできないと言うことにも繫がります。

どちらが正解と言うことはなく、ビジネス上の問題。それ故興味深い戦いです。

First Click Freeとは?

そもそもWallStreetJournal(以下WSJ)が離脱した、First Click Freeとは何かというと、Googleが提供しているしくみです。

有料コンテンツでも、Googleの検索結果経由であれば今は1日3件まで無料で見ることができるという契約です。それにより、見込み客を各ニュースサイトは得ることができ結果として有料会員獲得に繫がるだろうというのが、Googleとしての目論見でした。

ただ、WSJの状況を見ると、あまりうまくはいっていないのかもしれません。

First Click Freeについては、Googleニュースのヘルプをご覧下さい。

サイトのユーザー登録と定期購入申し込み – ニュース ヘルプ
https://support.google.com/news/publisher/answer/40543?hl=ja

看過できない数のユーザーが無料でたくさんの記事を読んでいた

実数は分かりませんが、FirstClickFreeは

  • Cookieでの管理しかしていない
  • デバイス毎に別カウント

等の関係で、ユーザーによってはCookieを消しながら、ほとんどを無料で読んでしまうような状態が続いていたようです。

そのため、WSJとしてはGoogleのプログラムからの離脱を2月に行ったのですが、想像以上にトラフィックが落ち、約半分の44%下落と報じられています。

減少の原因は、実際に有料会員にならない人々のフリーライド的なアクセスが減ったことが最も大きいでしょう。しかし、情報をクローリングできなくなったことで、WSJの記事のファインダビリティが落ちたことも大きいのではと推測します。

どちらにしても、今のインターネット上の情報流通は、有料会員モデルには相性が悪いですね。

WSJとしては、ここを埋めるためにFacebookやTwitter経由などでは無料で見られる仕組みを構築しようとしているなど、検索エンジンに依存しない仕組みを探っていくようです。

これからのWSJの動きは注目

既存の仕組みを壊しているので反発があるのは当然ですが、WSJだけではなく、ニュースサイトとしてもSEOというよりGoogleというのは悩ましいところのようです。

このWSJの判断がどのように経営状況や方針に影響を与えていくのか、失った収益を回復させることができるかは、興味深いです。

しかし、有益な情報が生まれて収益となって返ってくる仕組みがないといずれネット上は薄く不確かな記事で埋まってしまうでしょう。実際、SEOなにそれ?のような一般の方に話を聞くと、今ネット上にはいろいろな情報がありすぎて、どこを信じていいか分からないと言われます。

結局昔から見てるテレビや知り合いに直接LINEで聞いたりと、昔の行動に回帰しているようです。情報の流れがオフラインに戻ってきています。これは、実際にビジネスをしていても、情報の流れがネットから見えないところにほとんど移動してしまっているなと感じます。

検索して比較して、という行動様式は、比較対象が少なかった時代、かつ比較するサイトに対して善良だと思えた時代がピークで、いちいち比べないという人の方が今は多いのではないでしょうか。

そしてその流れが進み、情報を探すための労力が重くなれば、次に来るのは発信者や媒体を無条件に信頼して、労力を一気に削減する層の増大です。

それは良くないと思うんですね。情報の内容より発信者の力が圧倒的に強くなるのはバランスが悪いです。

とは言え、カオスになれば救世主が求められるものです。

今後の情報の出し方という観点でも、興味深いこのWSJの一件は。引き続き気にしていきたいなと思います。

Written by 中山陽平

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